2007年02月28日

上田力さんの「ジョビン・マイ・ラヴ」次回は4トロンボーン

アントニオ・カルロス・ジョビンの全曲演奏に取り組んでいる上田力さんのライヴ「ジョビン・マイ・ラヴ」の42回目は、4トロンボーンのBRASSCADAをまじえたユニークな演奏になるようです。楽しみです。

Jobim My Love Act42
2007年3月25日@新大久保space do

=NANDA NOVA=
上田力:Piano
吉田和雄:Drums
古屋栄悦:Bass
松崎義一郎:Bassoon
池田雅明:Trombone
黒沢綾:Voice

=BRASSCADA=
早川隆章:Trombone
内田日富:Trombone
西田幹:Trombone
池田雅明:Trombone

■開場 14:30 開演 15:00■

CHARGE:前売 \4,000(with 1drink)
    当日 \4,500(with 1drink)

■お申込・お問い合わせ先■
Space Nova(辻)tel&fax 03-3408-7588

■会場■
株式会社ダク space do(B1)
〒169-0073 東京都新宿区百人町2−8−9
tel:03−3361−2211
posted by naoki at 00:07| Comment(10) | TrackBack(0) | ライヴ・リポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月25日

2月24日に聴いたレコード

*快晴・強風の土曜日。最近は本当にトム・ジョビン関連ばかり聴いています。彼のソングブックと、彼が参加しているアルバムと。

『マチータ・ペレー/トム・ジョビン』AB面

『ウルブ/トム・ジョビン』AB面

『ア・ノイチ・ド・メウ・ベン/ナナ・カイミ』A面

『ヴィシオ/シモーニ』A面

『カンタール・ド・ジョビン/ヂリンヂ』

『ピアノ・コム・トム・ジョビン/マルコス・アリエル』

『ファランド・ヂ・ジョビン/パウラ・アルネサーノ』

『エリック・ル・ラン ジーン・マリー・エカイ プレイ・ジョビン』

『アモール・ヂ・ジェンチ・モッサ/シルヴィア・テリス』AB面

『メリョーレス・モメントス・ヂ・シコ・イ・カエターノ』B面

*AB面の表記のあるのがLPで、ないのがCDです。

*ついさっき、午前2時に、まだ事務所で仕事をしている社員からEメール。よし、僕ももう少しがんばろう。
posted by naoki at 04:42| Comment(10) | TrackBack(0) | 今日聴いた音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月24日

ケペル木村さん、シコ・ブアルキを語る

昨夜は吉祥寺のニューロカフェというところでケペル木村さんによるシコ・ブアルキの映像と音源紹介のイヴェントに行ってきました。珍しい映像もたくさん披露していただいて、大変勉強になりました。

ずいぶん前にTVグローボの「シコ・イ・カエターノ」にトム・ジョビンとアストル・ピアソラが出ていることを書きましたが、二人はなんと同じ回に出ていたのですね。おそらく同じ日の収録で、それで4人が一緒に写っている写真が残っているのでしょう。それにしてもトムとピアソラが同じ場にいたことがあるとは。一曲くらい共演すれば良かったのに、などと思ってしまいます(でもピアソラはそういう音楽家ではないですね)。

終了後は吉祥寺アルヴォラーダへ。仲間と楽しく飲食していたら、木村さんも現われました。吉祥寺はなかなか良い感じになってきたなあと思いながら帰途に着きました……というのは真っ赤な嘘で、最後は良く覚えていないのです……。
posted by naoki at 11:58| Comment(14) | TrackBack(0) | ライヴ・リポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月21日

セン・ヴォセのライヴがなんと茂原で!

このブログにも時々コメントを書き込んでくださるuさん(で良いのかな?)が、トム・ジョビン・トリビュートの「セン・ヴォセ」を千葉県茂原市に招くというすばらしいライヴを企画しました。春の茂原の夜にセン・ヴォセのジョビンはどんなふうに響くでしょうか? ちょっと遠いですが、大変楽しみです。

2007年3月17日(土) 千葉・茂原「ふぇるまぁた」

時間:17:30open
1st stage 19:00-19:50
2nd stage 20:20〜21:20

メンバー:
スティーブ・サックス (sax,flute)
山本のりこ (vocal,guitar)
二村希一 (piano)
柏木広樹 (cello)

問い合わせ:「ふぇるまぁた」tel:0475-25-4881

詳しくはこちらをどうぞ。
http://noriko-yamamoto.cocolog-nifty.com/semvoce/
posted by naoki at 21:18| Comment(13) | TrackBack(0) | ライヴ・リポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月19日

DVDの感想など

*この2日間は、我ながらよく仕事しました。早朝から明け方まで酒も飲まないで部屋にこもりきりで。今日の夕方はそれも一段落して雨上がりの公園に散歩に出ましたが、小鳥がもう春のさえずりで歌っているのに驚きました。陽射しもすっかり春の感じです。

トム・ジョビンの3枚組DVDですが、これはあとからじんわりとくる作品です。

最初は「そんなに珍しい映像もないし、まあこんなものかな」と思っていたのですが、どうしてどうして、繰り返し観ているうちに気持ちに変化が起きてきます。

この1週間ほど、自宅ではトム・ジョビン関連のものしか聴けなくなっています。トムが遺したリーダー・アルバムと、他者が贈ったソングブックと。こういう感じは久し振りです。

そしてまた映像を観るのですが、観れば観るほど感慨が深くなってきます。

映像を観ているうちに、アントニオ・カルロス・ジョビンの音楽は、もちろんある意味では後世に継承されていくのでしょうけれど、ある意味ではこの人かぎりだなという思いを強く持つようになりました。この独特の空気感というか、一つの宇宙がそこにある感じというか。同じDVDに収められているパウロとジャキスのカルテット(ひどい演奏です)などと比べると、その差異は歴然としています。

トム・ジョビンの音楽はやはり特別で、聴いているうちに独特の何ものかに包まれていきます。DVDを観たあとに残るこの独特の余韻は何なのでしょう?

最近ちょっと思っているのは、トム・ジョビンの音楽を聴くことはそのこと自体が一つのコミュニケーションなのではないかということです。音楽を聴くというのは普通は単なる受け取りの行為なのですが、そうではない何かがこの人の音楽にはある感じがします。僕はトム・ジョビンの音楽を聴く時には何かと対話しているような感じを強く覚えます。

おそらく、僕は思うのですが、トム・ジョビンという人物は宇宙の法則にかぎりなく近づいた人物の一人だったのではないでしょうか? 例えば、うまい例えが思いつきませんが、例えばドストエフスキーのように。あるいはニーチェのように。あるいはアインシュタインのように。

この人はただのポピュラー・ミュージックの作曲家ではない。たまたまポピュラー・ミュージックの作曲家という体裁を取ってこの世に現われただけだ。何となくそんな気がするのです。

まあ、あまり大げさな話は嫌われると思うので、このくらいにしますけれど。

それにしても、トム・ジョビンの音楽に出会うことができたことの幸福を、このあとの人生でじっくりと味わっていきたいと思います。

2007年02月14日

トム・ジョビン新DVD 3 『Ela é Carioca』

トム・ジョビンの新DVD3枚組『Maestro Soberano』の最後の1枚『Ela é Carioca』は、カリオカとしてのトム・ジョビンに焦点を当てています。ナレーションはエドゥ・ロボです。

最初にエドゥがトムの文章を朗読します。ガーヴェアの丘からはすべてが見えるとか、サンパウロからリオに戻る飛行機で「ジェット機のサンバSamba do avião」の着想を得たとか、リオが僕のインスピレイションだとかいう文章です。バックには「彼女はカリオカEla é carioca」が流れます。

1枚目・2枚目にも収められていた、1990年のバンダ・ノヴァのコンサート(トムが紺のスーツを着ている方)の映像からスタートします。トムがスタンディング・オヴェイションに迎えられて会場に現われるところから収録されています。曲は「サーフボードSurfboard」。女性コーラスのスキャットを中心にしたアレンジです。

そのあとに1枚目にも入っていたトムの1967年のインタヴューの音声が入っています。両親のことや子供の頃のことを話しています。そして1985年のインタヴューがこちらは画像で収められています。義父のセルソのことを話しています。

次は1990年のサンパウロ自由音楽大学のコンサートの映像です。まずは「コルコヴァードCorcovado」。トムは鼻の下に汗を掻きながら歌っています。次は「ウェイヴWave」。トムのピアノはいつになくインプロヴィゼイションに満ちています。続いて「白と黒のポートレイトRetrato em branco e preto」。女性コーラスを前面に打ち出したアレンジです。この曲が終わるとシコが出てきて、トムとキス。そして、トムが「美しいサンバ」と紹介して、シコがバンダ・ノヴァをバックに「壊れた彼女(エラ・ヂサティノウ)Ela desatinou」を歌います。トムも最後の一節を歌います。

そのあと1985年のインタヴューの映像が流れます。トムは自分には家もあって妻もあって幸せだと話しています。そして自宅でアナと「ヴォセ・ヴァイ・ヴェルVocê vai ver」を歌います。途中からトムとアナが自宅の庭を散歩する場面になります。

その1985年の映像はテレヴィの特別番組であることが次のシーンのトムの発言でわかります。トムは自宅のピアノの前でレイラ・ピニェイロを紹介します。そしてトムのピアノでレイラが「愛の語らいFalando de amor」を歌います。トムのピアノはいつになく丁寧で繊細で、トムがいかに若くて美しい女性に弱いかがわかります。

次は冒頭と同じ1990年のコンサート(トムが紺のスーツを着ている方)の映像です。まずはトムとシコの共作「エウ・チ・アモEu te amo」。この曲はトムのリーダー・アルバムには収録されていないので(シコの『ヴィーダVida』に入っていてトムはそこでピアノを弾いています)、この映像は貴重です。トムのピアノとジャキスのチェロをバックにトムと女性コーラスが歌っています。次は「インセンサテスInsensatez」。トムが歌い始めて、女性コーラスがあとを歌います。間奏のピアノも含めて、「デリカード」なすばらしい演奏です。続いて「リジアLigia」。トムが一人でピアノを弾きながら歌います。淋しくて切なくて、これも胸を打つ演奏です。そして「ルイーザLuiza」。これもトムのソロの弾き語りです。この一連の場面は、この3枚のDVDの中でも屈指の名場面です。

そのあとに1985年のトムのインタヴューが流れます。トムが「イパネマ」の語源について喋っています。インディオの言葉で「腐った水」だとか何とかいう話です(結局意味はわからないと言っています)。そしてすぐに1985年のライヴの映像になります。1枚目のボーナス・トラックと同じ時の演奏で、曲は「イパネマの娘Garota de Ipanema」です。傑作なのは、中国風のエンディングでピアノを弾き終えたトムが、両手で自分の両方の目尻を左右に引っ張って切れ長の目を作って「アリガトウ」と挨拶する場面。これは、トムが「イパネマ」という語の響きは日本語に似ていると信じていたことに由来しています。曲のエンディングの中国風のメロディもそういう意味です。トムが中国と日本を混同していたことは残念ですが、それにしてもこのシーンには爆笑です。

変わって1990年のサンパウロ自由音楽大学のコンサート。曲は「サンバ・ヂ・ウマ・ノタ・ソSamba de uma nota só」。曲が終わって大歓声を受けるトム。

次は1999年のクアルテート・ジョビン・モレンバウムの「彼女はカリオカEla é carioca」です。一コーラス目をパウラが、二コーラス目をダニエルが歌います。

ラストは、1995年のコパカバーナ海岸の年越しコンサート。曲は「ジェット機のサンバSamba do avião」。リオの大晦日の夜景にカエターノ、ミルトン、シコ、ガル、ジル、パウリーニョの歌声が重なります。

余韻を封じ込めるかのように最後にバックに流れるのは、レニータ・ブルーノが歌う「白い道Estrada branca」。字幕が流れて本編は終わりになります。

ボーナス・トラックも「ジェット機のサンバSamba do avião」。こちらは1985年のバンダ・ノヴァのライヴで、1枚目のボーナス・トラックと同じ時だと思います。それにしてもこの頃のベッチは美しい……。

以上、駆け足で3枚を紹介しました。そのうちに感想もまとめてみたいと思います。

2007年02月13日

トム・ジョビン新DVD 2 『Águas de Março』

トム・ジョビンの新DVD3枚組『Maestro Soberano』の2枚目『Águas de Março』は、エコロジストとしてのトム・ジョビンに焦点を当てています。ナレーションはシコ・ブアルキです。

オープニングは海や森の映像をバックにシコがトムの文章を朗読しています。ブラジルの自然について語っているもので、自分は大西洋の森に負うところが大きいと語っている箇所です。流れている曲は幻の曲だった「伝説Lenda」。「ピンドラマ」という言葉が出てくるのが興味深いです。

まずは1985年の映像で、トムと・バンダ・ノヴァによる「三月の水Águas de março」です。1枚目のボーナス・トラックと同じライヴの演奏だと思います。この時のバンダ・ノヴァのコーラスは、アナ・ジョビン、パウラ・モレンバウム、ベッチ・ジョビン、マウーシャ・アヂネ、シモーニ・カイミです。

次は1枚目にも収められていた1990年のサンパウロ自由音楽大学の記念コンサートのバンダ・ノヴァの演奏。曲は「ばらに降る雨Chovendo na roseira」です。女性コーラスのハーモニーから始まるアレンジで、とても良いです。アナやシモーニが歌いながら感激している様子が伝わってきます。カメラが引くと会場がとても大きな会場であることがわかります。続いてトムのピアノから始まるのが「太陽の道Estrada do sol」。この時のトムは日本公演などの映像に比べるとずいぶん老いてしまった感じがあります。特に手が老人の手になってしまった感じがします。でも演奏はとても瑞々しいです。エンディングがぴたりと決まります。

場面は変わって1枚目にも収められていた1990年のもう一つのコンサートの映像で、バンダ・ノヴァによる「コヘンテーザCorrenteza」です。演奏しているのはダニーロ・カイミ、ジャキス・モレンバウム、パウロ・ジョビン、チアォン・ネット、パウロ・ブラーガといういつもの面々です。

そしてまた1990年のサンパウロ自由音楽大学のコンサートから、女性コーラスが「ガブリエーラGabriela」を歌い始めます。曲がクライマックスに入ると会場から大きな拍手が起こります。曲が終わるとまた大きな拍手。感動的な場面です。

次は1985年のライヴの映像に戻って、「ボルゼギンBorzeguim」。パウロ・ブラーガのドラムが絶妙です。ベッチが歌い出しを間違えるとところがあって微笑ましいです。

このあとシコがトムのジャルヂン・ボタニコの詩を読みます。ジャルヂン・ボタニコの植物や鳥や亀や蝶の映像に、「サウダーヂ・ド・ブラジルSaudade do Brasil」が流れます。美しいです。

そして1990年のサンパウロ自由音楽大学のコンサートで、シコとトムが「サビアSabiá」をデュエットする場面。二人とも楽しそうにハモっています。

その次は『エドゥ&トム、トム&エドゥEdu&Tom Tom&Edu』(1981年)のレコーディング風景です。トムとエドゥがかなり激しく言い合いをして、エドゥとパウロ・セーザル・ピニェイロの「暴風Vento bravo」を演奏します。続いてエドゥに促されてトムがピアノを弾き始め、エドゥがヴォーカルを取る「ルイーザLuiza」。二人の演奏はレコードとして発売されているものとほとんど同じ内容に聴こえます。

次は1枚目にも収録されていた1999年のクアルテート・ジョビン・モレンバウムの演奏で、「ボトBôto」です。この演奏はちょっと深みに欠けます。

このあとトムがブラジルのジャングルの燃焼について憂いを述べている1985年の映像が流れて、「見捨てられた庭園O jardim abandonado」がバックに流れます。

ラストは1974年の『エリス&トムElis&Tom』の録音風景。トムとエリスがマイクを挟んで向かい合って「三月の水Águas de março」をデュエットする有名な場面です。曲が終わっておどけて崩れ落ちるトムが愉快です。

ボーナス・トラックは、一つは本編にも収められていた1985年のライヴの映像から、バンダ・ノヴァが演奏する「パッサリンPassarim」です。もう一つは1981年の映像で、トムが「マリーノ・ピントと作った未発表のショリーニョ・カンサォン」と紹介して、エレクトリック・ピアノを弾きながら「アイ・クェン・メ・デラAi quem me dera」を歌います。『エドゥ&トム、トム&エドゥEdu&Tom Tom&Edu』に収録されている珍しい曲なのですが、こういう映像が残されていたとは驚きです。

2007年02月12日

トム・ジョビン新DVD 1 『Chega de Saudade』

トム・ジョビンの新しいDVD3枚組セット『Maestro Soberano』の1枚目『Chega de Saudade』は、主にボサノヴァの創始者としてのトム・ジョビンを紹介したものです。

オープニングはセピア色がかかったリオの街の映像に、トムとアナとの「あなたなしではいられないEu não existo sem você」のデュエットが流れます。

最初の演奏の映像は1990年のトムとバンダ・ノヴァのライヴ。初めは同年1月のヴィニシウスのメモリアル・コンサートかと思ったのですが、このDVDセットの3枚目で「ここサンパウロで」とトムが喋っているところがあって、わからなくなりました。これがサンパウロの映像だとしたらサンパウロ市制施行436周年祭かラテンアメリカ記念祭かのどちらかだと思います。曲は「黄金の歳月Anos dourados」。トムは紺のスーツを着ています。皆きちんとした服装をしていて、女性コーラスは全員黒を着ています。そのコーラスは、左から、パウラ・モレンバウム、アナ・ジョビン、ベッチ・ジョビン、エヴェリーニ・エッカー、シモーニ・カイミ。エンディングのコーラスはほかで聴いたことのないアレンジです。

ネルソン・モッタのナレーションで「もう一度Outra vez」、「イマジーナImagina」(1947年に作られたヴァルサ・センティメンタルと説明されています)、「インセルテーザIncerteza」、「浜辺のテレーザTereza da praia」が紹介されます。合間に1967年の録音というトムとヴィニシウスの音声が流れます。おそらくラジオのインタヴューなのでしょう。トムはニュウトン・メンドンサのことを喋っています。ヴィニシウスはクルービ・ダ・シャーヴィでトムの演奏を初めて聴いた時のこと、ヴィラリーノで再び会った時のこと、二人で『オルフェウ・ダ・コンセイサォンOrfeu da Conceição』を作った時のことを喋っています。

次は1995年の大晦日のコパカバーナ・ビーチの年越しライヴの映像。シコのDVDにも収録されていた、あの、あとからギャランティの問題で大喧嘩になったコンサートです。ステージの上で歌っているのは左から、カエターノ・ヴェローゾ、ミルトン・ナシメント、シコ・ブアルキ、ガル・コスタ、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ。オーケストラの指揮はジャキス・モレンバウム。曲は「モーホの嘆きLamento no morro」。

同じライヴの映像で、パウリーニョとジルとミルトンが「ア・フェリシダーヂA felicidade」を歌います。そしてまた67年のインタヴューの音声で、ヴィニシウスとトムが「50人以上がこの曲を録音した」と話して、画面は先ほどのコンサートからガルとパウリーニョの「もし皆があなたと同じだったらSe todos fossem iguais a você」に移ります。

さらにトム=ヴィン・ナンバーが続きます。先ほどの1990年のコンサートの映像で、トムが一人で「あなたを愛してしまうEu sei que vou te amar」を弾き語ります。何だかとても一生懸命に演奏しています。続けて女性コーラスが「もっと歌をCanta, canta mais」を歌います。途中からダニーロ・カイミとジャキス・モレンバウムもコーラスに加わります。まるでスタジオ録音みたいに完璧な演奏です。

次のナレーションでは、ジョアン・ジルベルトとトムとヴィニシウスが参加したエリゼッチ・カルドーゾの『カンサォン・ド・アモール・ヂマイスCanção do amor demais』からボサノヴァが生まれたという説明があります。そしてまた95年の年越しコンサートから、今度はカエターノが「想いあふれてChega de saudade」を歌います。これはちょっと気のない感じがする歌です。

その次はヴイニシウスとトッキーニョが「トムへの手紙(七四年)Carta ao Tom(74)」を歌う1977年の映像です。途中からトムも加わります。以前にDVDで発売されたイタリアのテレビ番組の映像とは異なります。おそらく彼らのカネカォンのステージを収録したものなのでしょう。後ろではストリングスも演奏しています。でもこの映像はすぐに終わってしまいます。

次は1999年のクアルテート・ジョビン・モレンバウムの演奏。「ヂサフィナードDesafinado」をパウロ・ジョビンが歌い始めてパウラ・モレンバウムが歌い繋ぎます。チェロはジャキス、ピアノはダニエル、ドラムはドメニコ・ランセロッチ。さらに同じグループでもう一曲、ダニエルとパウラが「あなたと一緒にSó tinha de ser com você」を歌います。ちょっとゴツゴツとした、不思議なのりの演奏です。

場面は変わって1990年のサンパウロ自由音楽大学の創立記念コンサートから、トムとバンダ・ノヴァの演奏です。このコンサートの映像はシコのDVDにも収められていました。トムはこの大学の総長に任命されてコンサートに出演したもので、この日はトムの誕生日でもあります。曲は「おいしい水Água de beber」です。

そして再び1990年のもう一つのコンサートの映像で、バンダ・ノヴァが珍しくカルロス・リラとヴイニシウスの「あなたと私Você e eu」を演奏します。間奏でトムは口笛を吹いています。曲のアクセントを活かした楽しいアレンジです。続いて「ソ・ダンソ・サンバSó danço samba」。アレンジは『アントニオ・ブラジレイロAntonio Brasileiro』とほぼ同じで、例のスタン・ケントンのもじりも盛り込まれています。そしてこの曲がフェイドアウトのように終わるとトムは「サウダーヂ、サウダーヂ、サウダーヂ」と三度言います。懐かしさで胸がいっぱいになった感じです。

ラストはまたサンパウロの自由音楽大学のコンサートから、「想いあふれてChega de saudade」です。客席から歌声が起こります。女性コーラスの目に涙が光っています。じーんとくるシーンです。

本編はここまでですが、ボーナス・トラックとして1985年の映像で、トムがソロで「イマジーナImagina」を弾く演奏が収録されています。ピアノがとても良い音で鳴っています。

オフィシャルはこちらです。

2007年02月10日

トム・ジョビンDVD『Maestro Soberano』

トム・ジョビンの3枚組DVD『Maestro Soberano』をいち早く購入した尾崎さんが、仲間を集めて鑑賞会を開いてくれました。

初めて観るライヴの映像もたくさんありました。1990年のバンダ・ノヴァのライヴが2種類収録されていますが、一つはサンパウロの自由音楽大学の総長に就任した時のショウです(シコのDVDにも収録されていたトムの誕生日のコンサートです)。もう一つは初めて観たのですが、トムも含めて全員が黒装束で正装していることを考えると、その直前に開催されたヴィニシウスのメモリアル・ライヴではないかと考えられます。珍しく「ヴォセ・イ・エウ」とか歌っていますし。あとはトムの死去の翌年の大晦日のコパカバーナのビーチの年越しライヴの映像がいくつか挿入されています。カエターノ、ミルトン、シコ、ガル、ジル、パウリーニョが並んで歌う「ラメント・ノ・モーホ」はやはり圧巻です。それから有名な「アグアス・ヂ・マルソ」のエリスとのデュエットも初めて公式に収録されました。

でも50年代とか60年代の映像は、さすがにほとんどなかったです。TVパウリスタの「オ・ボン・トム」(1960年)とかは、もう残っていないのでしょうかね。その辺がいちばん興味があるのだけれど。

追って一本ごとに詳しく紹介しようと思います。