2007年06月28日

上田さんの「ジョビン・マイ・ラヴ」Act43

6月24日は上田力さんの「ジョビン・マイ・ラヴ」43回目。僕は前回聴けなかったので久しぶりに上田さんのジョビンを堪能しました。

前半には「エウ・イ・オ・メウ・アモール」という珍しい曲もあって、上田さんは「ジョビンの曲のほとんどのエッセンスはすでに『オルフェウ・ダ・コンセイサォン』で聴くことができる」とおっしゃっていました。同感。また、「オ・グランヂ・アモール」を上田さんと池田さんのデュオで演奏。二人の息の合ったところを聴かせてくれました。後半は4トロンボーン編成の迫力あるサウンドで、「シェガ・ヂ・サウダーヂ」などを新しいアレンジで演奏していました。

全体的にアレンジがここに来て新境地に入っているのではないかと思いながら聴きました。今までの中でも特に良かったです。中でも「アグアス・ヂ・マルソ」の、歌詞のアクセントを活かしたような表情のある編曲にが秀逸でした。上田さんのピアノもいつになく好調だったと思います。

次回はトムの命日の12月8日。そしてセカンド・アルバムのレコーディングも予定しているとのことです。
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2007年06月19日

ほかの誰にも似ていないピアニスト

BXホールというところでジョアン・ドナートの演奏を聴きました。今夜が今回の来日の最終公演だそうです。

共演者とか曲目とかは省略。しかしメンバーはもうちょっと何とかならないのかなあというのが僕と僕の周辺の何人かの感想です。

それにしてもドナートはやはり非常にユニークでチャーミングな音楽家であることを改めて認識しました。リズムもハーモニーも実に特異。とりわけ印象的だったのは、左手のベースラインの執拗で正確な反復と、バッキングのリズムの小刻みな再分割・再構築。ラテン(キューバ)のフレイヴァーが効いていることは間違いないのですが、完全なラテンでもありません。まったく、ほかの誰にも似ていないピアニストです。とても変わったコードを音を探しながら弾いている姿は、まるでピアノ版ジョアン・ジルベルトみたいでした。

ソロの演奏の時間が二度あったのですが、これがすばらしかった。特にアンコールの長いソロは(10分以上演奏していたと思います)、聴き手の記憶のどこかに引っ掛かっているさまざまな曲のテーマやフレーズが次々と飛び出してきて、まるでドナート版「ボサノヴァ50年史」。「ガロータ・ヂ・イパネマ」の変奏を中心に、「あの曲とこの曲がこうやって繋がるのか!」「この曲はあの曲の裏メロディだったのか!」などの発見があった気がするのですが、それもこれも走馬灯のように過ぎ去っていきました(トム・ジョビンの「ファス・ウマ・セマーナ」が一瞬出てきたときは鳥肌が立ちました)。

うーむ、久し振りに良いものを聴きました。誘ってくださった皆さん、ありがとうございます。
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2007年06月09日

マチータ・ペレーが生まれたところ

昨日・一昨日と四国にいました。木曜日は高知空港に降りて、レンタカーで中村(現四万十市)へ。そこで一つ仕事をして、宇和島を経由して松山へ。この中村から宇和島への道が、仕事中の移動とは言え、忘れられないドライヴになりました。

四万十川の流れに沿って、国道441号線を上っていくルートです。国道とは言え、ほとんどが1.5車線くらいの道幅で、離合(擦れ違い)の時には一方が相手を通せるところまでバックして待機します。四万十川には沈下橋という橋がたくさん架かっていて、途中2箇所だけ立ち寄って車で渡ってみました(怖かった)。四万十川は初めて見ましたが、さすがに、満々と水を湛えたすばらしい川でした。急いでいたのでのんびりはできなかったのですが、ぜひいつかまた訪ねてみたいと思いました。日本の中でも秘境中の秘境だと思います。以前にジャマイカで知り合った人の好い夫婦がこのあたりの出身だったことを思い出しました。

さて、僕は外にいる時にはまったく音楽を聴かないのですが(携帯用音楽再生機は持ったことがありません)、車に乗る時にはCDを2・3枚持参します。で、この日はたまたまトム・ジョビンの『マチータ・ペレー』を持って来ていたので、この四万十川を登る時にそれを掛けて、聴きながら運転していました。そして何だかこのアルバムの本質に近づくことができたように思いました。

人間が分け入らない奥深い森林。新緑から真緑に移っていく季節。鳥の声。かじかがえるの声。青の濃い空。四万十川の神々しい流れ。そしてそういう高知の奥地に『マチータ・ペレー』はぴったりでした。何だかまるでポッソフンドを疑似体験しているような気分になりました。『マチータ・ペレー』は……「三月の水」は……こういうところで生まれたのだなあと、そう思いました。アナ・ジョビンのあの写真(「三月の水が生まれたところ」をご参照ください)にそっくりな風景が現われた錯覚にも陥りました。

以前から僕は『マチータ・ペレー』を特別な一枚だと思っているのですが、このアルバムは本当に、森と、緑と、川と、水と、鳥から生まれた「めぐみ」のアルバムなのだと、改めて認識を深めた次第です。

最近仕事のことで落ち込むことが多いのですが、今回はとても良い旅でした。
posted by naoki at 04:38| Comment(7) | TrackBack(0) | 「三月の水」について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月06日

今日発売です!

シコ・ブアルキの『No.4』と『コンストルサォン』が今日発売になります。当初は5月発売予定だったのですが、少し遅れました。

シコのオリジナル・アルバムがCDとして日本で出るのは、これが初めてです。1枚1,600円という価格なので、ぜひお買いください。この2枚の売れ行きは、今後のシコのアルバムの国内発売に大きく影響すると思います。僕も何枚も買って、聴いて欲しい人に配ろうと思います。

この「ブラジルの星たち」シリーズは、当初の予定が少し遅れているようですが、今後も引き続き発売されると思いますので楽しみにお待ちください。
posted by naoki at 04:57| Comment(13) | TrackBack(0) | シコ・ブアルキのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする