2007年07月30日

今日聴いたジョビン・ソングブック(11)

*今日はギター(ヴィオラォン)のアルバムを続けて聴きました。

アントニオ・カルロス・ジョビン・イ・フェルナンド・セーザル・ナ・ヴォス・ヂ・アゴスチーニョ・ドス・サントス
アゴスチーニョ・ドス・サントス
Agostinho dos Santos
Antonio Carlos Jobim e Fernando Cesar na Voz de Agostinho dos Santos
1958
アゴスチーニョの3枚目のアルバム。片面(6曲)をジョビン・ナンバーが、もう片面(6曲)をフェルナンド・セーザルの曲が占める。トムの曲は当然にボサノヴァ以前の曲だが、両面を聴き比べるとその特異さが際立っている。アゴスチーニョの歌は古いことは古いが、うまいことはうまい。
4

ジョビン サムワン・トゥ・ライト・アップ・マイ・ライフ
ジーン・ベルトンシーニ
Gene Bertoncini
Jobim Someone to Light Up My Life
1995
ジーン・ベルトンシーニは米国のジャズ・ギタリスト。生ギターとパーカッションのシンプルな演奏。詩情に満ちている。
3.5

ジョビン&ガーシュウィン集
カルロス・バルボーザ・リマ
Carlos Barbosa-Lima
Plays the Music of Antonio Carlos Jobim & George Gershwin
1982
カルロス・バルボーザ・リマはブラジル出身のクラシック・ギタリスト。端正で精緻なソロ演奏。A面6曲がジョビン作品、B面8曲がガーシュウィン作品。
3

ブラジル、ウィズ・ラヴ
カルロス・バルボーザ・リマ シャロン・イスビン
Carlos Barbosa-Lima & Sharon Isbin
Brazil, with Love
1987
シャロン・イスビンは米国の美人クラシック・ギタリスト。カルロス・バルボーザ・リマとの息がぴたりと合った演奏。この二人とトムとはコンサートで共演したことがある。A面6曲がジョビン作品、B面8曲のうち4曲がピシンギーニャ作品、4曲がナザレー作品。
4

ウン・モメント・コム・アントニオ・カルロス・ジョビン
デュオ ヴァニア&スタネック
Duo Viana & Staneck
Um Momento com Antonio Carlos Jobim
1989
ヴィオラォンのパウロ・ホジェリオ・ヴィアナとハーモニカのジョゼ・スタネックのデュオ。3M(スコッチ)レーベルのアルバム。内容は平凡。
2

オ・メリョール・ヂ・アントニオ・カルロス・ジョビン
メシアス
Messias
O Melhor de Antonio Carlos Jobim
1968?
ヴィオラォンのメシアスのリーダー作。曲によってフルートその他が入る。日本のRCAの要請で製作されたレコードを、ブラジルでは数曲を入れ替えて発売したようだ。メシアスのヴィオラォンはどちらかと言うとバーデン・パウエル的。
3.5


カミーラ
Camila
Wave(Songs from Antonio Carlos Jobim)
1993
これは良くない。この女性のヴォーカルはまったく受け入れることができない。
0.5

デサフィナード
カミーラ
Camila Benson
Desafinado(Songs by Antonio Carlos Jobim U)
1997
これもひどい。ボサノヴァのスポンテニアスの対極にある歌。一時期粗製濫造された日本製作のボサノヴァ・アルバムの最悪の典型。
0.5

*夜は選挙速報をずっと観てしまって、今日はここまで。

2007年07月29日

シコ・ブアルキの二枚組ライヴ

そう言えば、シコのライヴがビスコイトから出るみたいです。

二枚組ですね。楽しみに待ちたいです。

http://www.biscoitofino.com.br/bf/cat_produto_cada.php?id=307

posted by naoki at 04:04| Comment(10) | TrackBack(0) | 新譜紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今日聴いたジョビン・ソングブック(10)

*今日はクアルテート・エン・シー関連から聴き始めました。

インテルプレータ・トム・ジョビン
グルーポ・ショヴェンド・ナ・ホゼイラ
Grupo Chovendo na Roseira
Interpreta Tom Jobim
1988
クアルテート・エン・シーのシナーラが率いる女性四人コーラス。シナーラのほかにクアルト・カントス〜ヴィヴァ・ヴォスの三人、ビア・パエス・レメ、ソラーヤ・モンチ・ヌネス、ルシアーナ・メデイロスが参加。1984〜88年にジョビン・ナンバーだけを歌う活動をしていて、88年にこのアルバムを発売した。コーラスの美しさはエン・シー譲りだが、バックの演奏、特にリズムの打ち込みの音に難がある。
3

ボッサ・エン・シー
クアルテート・エン・シー
Quarteto em Cy
Bossa em Cy
1991
クアルテート・エン・シーがボサノヴァの名曲を歌い綴った作品は意外に少ないが、これがいちばんそれに近い。全16曲(メドレー内を含む)中8曲がトムの曲。プロデューサーは吉田和雄。
4

ヴィニシウス・エン・シー
クアルテート・エン・シー
Quarteto em Cy
Vinicius em Cy
1993
ヴィニシウス集には自然にトムの曲がたくさん入ってくる。ここではメドレー内の曲を含めて6曲。トム本人が参加している「Eu Sei que Vou Te Amar」が泣ける。
4.5

バチ・ボカ クアルテート・エン・シー&MPB-4
クアルテート・エン・シー&MPB-4
Quarteto em Cy & MPB-4
Bate-Boca  Quarteto em Cy & MPB-4
1997
14曲中12曲がトムの曲で、シコの曲が12曲。言い換えると、10曲がトムとシコの共作、2曲がトムの単独作品、2曲がシコの単独作品。トムの最後の傑作「Bate-Boca」を本人の私家録音に続けて再現しているのが最大の聴きどころ。
5

キ・ファルタ・ヴォセ・ミ・ファス ムジカス・ヂ・ヴィニシウス・ヂ・モライス
マリア・ベターニア
Maria Bethânia
Que Falta Você Me Faz Músicas de Vinicius de Moraes
2003〜2004
シンプルだが深い味わいのあるマリア・ベターニア近年の傑作。タイトルの通りの想いが伝わってくる。15曲中6曲がトムの作曲。
5

クリス・デラーノ・カンタ・ニュウトン・メンドンサ
クリス・デラーノ
Cris Delanno
Cris Delanno Canta Newton Mendonça
2002
トム・ジョビンの盟友ニュウトン・メンドンサの幻の14曲を再現した企画盤。正確に言うと初録音は2曲だが、ほとんどの曲が初めて世に出たようなもの。コンセプションとエグゼクティヴ・プロデューサーはマルセロ・カマラ、編曲はホベルト・メネスカル。貴重な試みなのに、全編がメネスカル・サウンドのショウケースになってしまったのは残念。トムとニュウトンの共作は6曲。
3

フォイ・ア・ノイチ カンサォン・ヂ・トム・ジョビン
クラウデッチ・ソアレス
Claudette Soares
Foi a Noite
2007
クラウデッチがピアノとサックスのカルテットをバックに歌う彼女の初のジョビン集。ブックレットのクラウデッチの文章によると、このアイディアはシルヴィーニャ・テリスのジョビン集に端を発しているようだ。完熟のクラウデッチがすばらしい。
4.5

2007年07月23日

今日聴いたジョビン・ソングブック(9)

おいしい水
アストラッド・ジルベルト
Astrud Gilberto
The Astrud Gilberto Album
1965
説明不要の人気盤。トム・ジョビンはヴィオラォンで参加。編曲はマーティ・ペイチ。ピアノはジョアン・ドナート。ここにもカイミの「And Roses and Roses」がなぜか入っている。
5

チャーリー・バード・プレイズ・ジョビン
チャーリー・バード
Charlie Byrd
Charlie Byrd Plays Jobim
1990’s
1990年代のいくつかの録音からの編集盤。チャーリー・バードのボサノヴァはリズムに難がある。曲によってバド・シャンクやホメロ・ルバンボやマウーシャ・アヂネが加わる。
3.5

オマージュ・トゥ・ジョビン
チャーリー・バード
Charlie Byrd
Homage to Jobim
1994
富士通・コンコード・ジャズ・フェスティヴァルのライヴ。サポート・メンバーに助けられ、上記のアルバムよりはグルーヴしている。7曲中ジョビン・ナンバー以外が2曲ある。
3.5

ザ・ジョビン・ソングブック
マウーシャ・アヂネ
Maucha Adnet
The Jobim Songbook
2004
トムをして「彼女の声はブラジルの森を思い出させる」と言わしめたマウーシャ・アヂネだが、その魅力が今一つわからない。バックの演奏は良い。
3.5

ヌーヴェンス・ドラーダス インテルプレータ・トム・ジョビン
ジュアレス・モレイラ
Juarez Moreira
Nuvens Douradas Interpreta Tom Jobim
1995
ミナス派のヴィオロニスタ、ジュアレス・モレイラのベロオリゾンチ録音。全体的にエレクトリックなサウンド。タイトル曲が良い。
3

ジョビニアンド
イヴァン・リンス
Ivan Lins
Jobiniando
2001
トムとは縁がなさそうに見えたイヴァン・リンスが突然発表したジョビン集。メドレー内を含めて17曲中11曲がトムの曲(日本盤ボーナストラックを含む)。タイトル曲はマルチーニョ・ダ・ヴィラとイヴァンとの共作。慈愛に満ちた好盤。ブックレットに掲載されているイヴァンの文章が泣ける。プロデューサーはメネスカル。
4

エンコントロ(オン・ジョビン)
フィル・ウッズ イリオ・ヂ・パウラ
Phil Woods Irio de Paula
Encontro(on Jobim)
2000
すばらしい。ウッズがクラリネットを手にしているところからして、アート・ペッパーの遺作を思い出してしまう。ここでの相手役は名手イリオ・ヂ・パウラ。そして素材がジョビン。これまで多くのジャズ・ホーン奏者のジョビン集をけなしてきたが、こういう演奏もあるのだということは記憶しておきたい。Philologyレーベルの大傑作。最近の深夜の愛聴盤。
5+

2007年07月22日

今日聴いたジョビン・ソングブック(8)

*今日はナラを聴いて、ワンダを聴きました。しかし便宜上「5曲以上」というルールを作ってしまったので、トム・ジョビンのソングブックとはとても言えないものまで入ってきてしまって、ちょっと悩ましいです。いずれ整理しないと。

美しきボサノヴァのミューズ
ナラ・レオン
Nara Leão
Dez Anos Depois
1971
「十年後」のナラがボサノヴァの名曲を淡々と歌い繋いでいく。パリ録音。ギターはトゥッカ。ナラのいちばんメランコリックなボサ・アルバム。24曲中19曲がトムの曲。
5

わたしのボサノヴァ
ナラ・レオン
Nara Leão
Abraços e Beijinhos e Carinhos sem Ter Fim…
1984
クロヴィス・メーロのアレンジは食い足りないが、ナラの自然な歌はすばらしい。この時期にメネスカルがナラにボサノヴァを歌わせたのは良かった。トムの曲はメドレー内を含めて13曲中7曲。
4

イパネマの娘
ナラ・レオン
Nara Leão
Garota de Ipanema
1985
この時期に日本がナラにボサノヴァを歌わせたのも良かった。メネスカルの伴奏でストレートに取り組んだのが奏功した名盤。トムの曲は16曲中11曲。
5

ソフトリー
ワンダ・ヂ・サー
Wanda de Sah
Softly!
1965
アストラッドの向こうを張って米国で売り出されたワンダの有名盤。アレンジはジャック・マーシャル。ジョビン・ナンバーは11曲中5曲。
4.5

私と音楽
ワンダ・サー&メネスカル
Wanda Sá & Menescal
Eu e a Música
1995
これも正統なボサノヴァの好演。この時期にメネスカルがワンダを引っ張り出したのも良かった。メドレーを含めて23曲中7曲がジョビン曲。
5

ワンダ・サー・ウィズ・ボッサ・トレス フィーチャリング・カルロス・ヴィーニャス
ワンダ・サー・ウィズ・ボッサ・トレス
Wanda Sá & Bossa Três
Wanda Sá & Bossa Três
2000
ルイス・カルロス・ヴィーニャスが快調で、ワンダも気持ち良さそうに歌っている。トムの曲はメドレー含めて20曲中6曲。
4

私はマリア・クレウーザ
マリア・クレウーザ
Maria Creuza
Yo…Maria Creuza
1971
この頃のマリア・クレウーザはまだ歌い方が軽くてとても良い。12曲中5曲がジョビン作。
4

2007年07月17日

今日聴いたジョビン・ソングブック(7)

*昨夜は久し振りに深酒してしまいました。Nさん、遅くまですみませんでした。でも楽しかったです。またぜひお願いします。

ビッグ・バンド・ボサノヴァ
オスカル・カストロ・ネヴィス・アンド・ヒズ・オーケストラ
Oscar Castro Neves and His Orchestra
Big Band Bossa Nova
1962
パーカッションがうるさい。ハーモニーは普通。アレンジはアストル・シルヴァ。12曲中5曲がジョビン・ナンバー。
3.5

ボサノヴァと私
テレーザ
Teresa Salgueiro & Septeto de João Cristal
Você e Eu
2006
ポルトガルの女性歌手のサンパウロ録音。ジョアン・クリスタルのバンドはしっかりした演奏をしているのだが、歌が若い。22曲中10曲がジョビン・ナンバー。
3

トム
パスコアル・メイレリス・トリオ
Pascoal Meirelles Trio
Tom
2003
ドラマーのパスコアル・メイレリスがリードするジャズ・ギター・トリオ。11曲中5曲がトムの曲。パスコアル作の「Tom」という曲も入っている。ギターはネルソン・ファリア。演奏は平凡。
3

ブエノスアイレスの一夜
ヴィニシウス・ヂ・モライス、トッキーニョ、マリア・クレウーザ
Vinicius de Moraes con Maria Creuza y Toquinho
Vinicius de Moraes Grabado en Buenos Aires
1970
ヴィニシウスの歌はこのアルバムではかなり安定している。全体を支えるトッキーニョも良いし、マリア・クレウーザもこの頃はとても良い。15曲中5曲がトムとヴィニシウスの作品。
4.5

トム・ブラジレイロ
フィロ・マシャード・イ・シベーリ・コドーニョ
Filó Machado e Cibele Codonho
Tom Brasileiro
2005
名手フィロ・マシャードのヴィオラォンとヴォーカルに、曲によって女性歌手シベーリ・コドーニョが加わった、独自の解釈によるジョビン集。うまい。
4.5

*数えたらここまでで53枚ありました。今日聴いたような「拡大解釈」の盤を含めると、まだまだ山ほどあります。もちろん僕が持っていない盤もたくさんあるので、秘蔵盤をお持ちの方は、この書き込みが一段落したらぜひ教えていただきたいです。

2007年07月16日

今日聴いたジョビン・ソングブック(6)

ジョイス・シングス・トム・ジョビン
ジョイス
Joyce
Tom Jobim Os Anos 60
1987
ジェルソン・ペランゼッタのエレクトリック・キーボードとジョイスのデュオ。ジョイスの微笑みに満ちた歌唱が楽しい。
4.5

セン・ヴォセ
ジョイス&トニーニョ・オルタ
Joyce & Toninho Horta
Sem Você
1995
トニーニョとジョイスのデュオ。とてもスケールの大きなサウンドに仕上がっている。トムの曲を歌う時のジョイスは聴き違えるほど良い。これも愛に満ちた演奏。
5

ルシアーナ
リカルド・アリギーニ・トリオ
Riccardo Arrighini Trio
Luciana
2005
ジョビン・ミュージックを見事にジャズに料理したイタリア製ピアノ・トリオの好演。Philologyレーベルの「A.C.Jobim Project」のchapter4。
4.5

アンジェラ
ファブリツィオ・ボッソ・エンコントラ・リカルド・アリギーニ・トリオ
Fabrizio Bosso Encontra Riccardo Arrighini Trio
Angela
2005
上記のトリオにファブリツィオ・ボッソのトランペットを加えた演奏。やはりホーン奏者にとってジョビンは難題であることがわかる。Philologyレーベルの「A.C.Jobim Project」のchapter3。
3.5

* 昨日はこのあと仕事に出掛けてしまってこれだけでした。

2007年07月15日

今日聴いたジョビン・ソングブック(5)

*今日はシルヴィア・テリスの特集です。

カリーシア
シルヴィア・テリス
Silvia Telles
Carícia
1957
デビュー・アルバム(10インチ)にしてこの歌。可憐。精妙。早くも堂々たる歌唱。でもやはり初々しい。ジョビン・ナンバーは8曲中4曲。見事。
5

シルヴィア
シルヴィア・テリス
Silvia Telles
Silvia
1958
上記に続くセカンド・アルバム。さらに繊細に。さらに抑制して。とにかく見事。トムの曲は12曲中6曲だが、かつて日本で出たCDではボーナストラック4曲中さらに2曲がジョビン曲だった。
5

少女の恋
シルヴィア・テリス
Silvia Telles
Amor de Gente Moça
Músicas de Antonio Carlos Jobim
1959
上記に続くサード・アルバム。続けて聴くと少しずつ歌が太くなってきているのがわかる。それにしてもうまい。この絶妙のバランサ(スウィング)はどうだろう? 女性ヴォーカルのジョビン集の金字塔。アレンジはリンドルフォ・ガヤ。全12曲がトムの曲だが、過去の日本版CDではボーナス曲6曲にジョビン曲がさらに2曲含まれていた。
5+

アモール・エン・ハイ・ファイ
シルヴィア・テリス
Silvia Telles
Amor em HI-FI
1960
表現にさらに磨きが掛かった4枚目。ただ、過去3作の絶妙な「ふるえ」や「ゆらぎ」の感覚は薄らいでしまったように感じられる。11曲中トムの曲は5曲。
5

シングス・ワンダフル・ソングス・オヴ・アントニオ・カルロス・ジョビン
シルヴィア・テリス
Sylvia Telles
Sings the Wonderful Songs of Antonio Carlos Jobim
1965
ところどころ歌い上げたりしていて、スタイルはかなり普通に近づいてしまったが、見事にうまいことには変わりはない。カイミ作の「And Roses and Roses」がなぜか入っているが、ほかの11曲はトムの曲。ポルトガル語は3曲のみで、あとは英語で歌っている。
5

トリブート・ア・トム・ジョビン
クラウヂア・テリス
Claudia Telles
Tributo a Tom Jobim
2004
シルヴィアの深みと細やかさには及ぶべくもないが(比べるのは酷というものだ)、軽妙なフィーリングには母親譲りのものがある。リズムとテンポがワンパターンなのが口惜しい。
4

クラウヂア・カンタ・シルヴィア
クラウヂア・テリス
Claudia Telles
Por Causa de Você Dedicado a Sylvinha Telles
1997
母シルヴィアの愛唱曲を集めた一枚。タイトル曲はシルヴィアのデビュー・アルバムの冒頭に入っていた曲で、クラウヂアの歌が胸を打つ。メドレー内の曲を含めて16曲のうちトムの曲は8曲。「Dindi」と「Se Todos Fossem Iguais a Você」はシルヴィアとの合成デュエットだが、この2曲は日本盤には入っていない。反対に日本盤には4曲のボーナストラックがあるが、その中にジョビンの曲はない。
4

サウダーヂス・ダ・ボサノヴァ
クラウヂア・テリス
Claudia Telles
Saudades da Bossa Nova
2000・2001
2000年と2001年のアルバムから選曲、アルバムに未収録だった3曲を加えた日本のコアラ・レコードの編集盤。その3曲に「Aula de Matemática」が含まれているのは嬉しい。15曲(メドレー内の曲を含む)のうちトムの曲は8曲。
3.5

*シルヴィア・テリス。この人がいなかったらジョビンはなかったかもしれない。ジョアンもなかったかもしれない。まああったかもしれないけれど、とにかく胸が締め付けられます。彼女の歌をこうやって聴けることは、このカテゴリーの音楽を聴いているファンに与えられた至福の特権の一つです。

2007年07月09日

今日聴いたジョビン・ソングブック(4)

トドス・オス・トンズ
ハファエル・ハベーロ
Raphael Rabello
Todos os Tons
1991〜1992
ハファエル・ハベーロの才能には文句はないが、このアルバムはテクニックに圧倒されているうちにあっと言う間に聴き終わってしまって、味わいとか楽しさとかは感じられない。「Garoto」にはトム本人がピアノで参加。
3.5

クリス・エン・トム・マイオール
クリス・デラーノ
Cris Delanno
Cris em Tom Maior
2000
心に残らない一枚。クリス・デラーノはもう少し歌えるのではないかと思うのだが。プロデュースと編曲はもちろんホベルト・メネスカル。
2.5

ジョビンへの手紙〜アントニオ・カルロス・ジョビン・トリビュート
トニーニョ・オルタ
Toninho Horta
From Ton to Tom A Tribute to Tom Jobim
1998
トニーニョ作のタイトル曲がトムに捧げられている。慈愛に満ちたやさしい作品。ただしトニーニョのヴォーカルには要注意。13曲中トムの曲は9曲。ガル・コスタが参加。
3.5

ファランド・ヂ・ジョビン
パオラ・アルネサーノ
Paola Arnesano
Falando de Jobim
2005
ギター・トリオとサックスをバックにしたイタリア人女性ジャズ・ヴォーカル。ありがちだが、自然でさり気ないところが好印象。1曲だけ歌っているパオラのオリジナル曲がなかなか良い。他の13曲はトムの曲。
3.5

イン・ザ・スピリット・オヴ・ジョビン
ブライアン・ブロンバーグ
Brian Bromberg
In the Spirit of Jobim
2006〜2007
ジャズ・ベース奏者ブライアン・ブロンバーグのベースとピッコロ・ベースのテクニックを前面に打ち出したアルバム。手際良いアレンジでまとめている。13曲中トムの曲は7曲で、後半はジョビン色は希薄。
3.5

アライヂ・コスタ
アライヂ・コスタ
Alaíde Costa
Alaíde Costa
1959〜1961
アライヂ・コスタの初期の名唱を集めたCD。トムの曲は、1960年のEP『Músicas de Antonio Carlos Jobim(Tom)』の4曲を中心に、59年の1曲、61年の1曲、計6曲を収録。中でも「Meditação」はLPには入っていなかった貴重な録音。アライヂ・コスタの歌はとても細やかで、シルヴィア・テリスに通じるものがある。
4.5

2007年07月08日

今日聴いたジョビン・ソングブック(3)

*意外にこの企画が好評なので続けます。今日の午後はピアノを中心に聴いていました。

アントニオ・カルロス・ジョビンを歌う
ホーザ・パッソス
Rosa Passos
Canta Antonio Carlos Jobim
1998
ここまで超有名曲で構成したジョビン集はむしろ珍しい。ホーザ・パッソスのヴォーカルは余裕綽々。新発見はないが、落ち着いて聴ける。原案とプロデュースはアルミール・シェヂアッキ。ボサノヴァ40周年記念盤。
4

エスペシャル・トム・ジョビン
ホーザ・パッソス/ヴァニア・バストス
Rosa Passos e Vânia Bastos
Especial Tom Jobim
1991〜1997
91〜97年にホーザ・パッソスが歌った8曲(91年の『Curare』からの5曲が中心)と、下記のヴァニア・バストスの一枚からの8曲を合成した編集盤。ホーザ・パッソスはこの頃が輝いている。
3.5

カンサォン・ヂ・トム・ジョビン
ヴァニア・バストス
Vânia Bastos & Cordas
Canções de Tom Jobim
1995
感情をたっぷりと込めてまっすぐに歌うヴァニア・バストスのスタイルはボサノヴァ的ではないけれど、説得力がある。好盤。これもトムの死去のすぐあとに出たアルバムだった。ストリングスの編曲・指揮とピアノはフランシス・イーミ。
4

プレイズ・ジョビン
ティチアン・ヨースト・トリオ
Tizian Jost Trio
Plays Jobim
2006
ミュンヘン在住のジャズ・ピアニストのミュンヘン録音。出来は曲によってまちまち。特にドラムスが今一つ。
3

愛の語らい
ステファノ・ボラーニ・トリオ
Stefano Bollani Trio
Falando de Amor
2003
ミラノ生まれのジャズ・ピアニストのローマ録音。しっとりしていて、良く練り上げられている好演。
4

愛の語らい
エディ・ヒギンズ・トリオ
Eddie Higgins Trio
Speaking of Love
1998
マサチューセッツ生まれのエディ・ヒギンズはトムと5歳しか違わない。躍動感はないが、メロディをとても大切に弾いている。ニューヨーク録音。
3.5

ピアノ・コム・トム・ジョビン
マルコス・アリエル
Marcos Ariel
Piano com Tom Jobim
2000
フュージョン系の演奏の印象が強いマルコス・アリエルの、これはストレート・ジャズ的なソロ・ピアノ。リオ録音。深い解釈に基づいた、スケールの大きな演奏。
4.5

カンタ・トム&シコ
クララ・ヌネス
Clara Nunes
Canta Tom & Chico
1968〜1982
クララ・ヌネスが歌ったトム・ジョビンとシコ・ブアルキの作品を集めた編集盤。2005年に発売された。クララのスタイルの変遷も伝えていて興味深い。11曲中トムの曲は4曲だけだが、特別にここに。ただしシコの曲の方が出来は良い。
4

レトラ&ムジカ アントニオ・カルロス・ジョビン
レニー・アンドラーヂとクリストヴァォン・バストス
Leny Andrade e Cristovão Bastos
Letra & Musica Antonio Carlos Jobim
1995
ジョビン・ソングブックの最高傑作。これもトムの死去の翌年の録音で、アルミール・シェヂアッキがプロデュース。作詞作曲トム・ジョビンの曲だけを集めている。レニー・アンドラーヂがクリストヴァォン・バストスのピアノをバックに、トムに敬意を払いながらも自分の歌を歌っているところがすばらしい。涙。
5+

2007年07月02日

今日聴いたジョビン・ソングブック(2)

カーザ
モレンバウム2/サカモト
Morelenbaum2/Sakamoto
Casa
2001
坂本龍一のピアノをバックに、モレンバウム夫妻が情感たっぷりに演じる名盤。
5

ア・デイ・イン・ニューヨーク
モレンバウム2/サカモト
Morelenbaum2/Sakamoto
A Day in New York
2003
『Casa』と同じようなことをしているのだが、この続編では魔法が失われてしまっている。10曲中、トムの曲は7曲。
3.5

トム・ジョビン・ポル・マイーザ
マイーザ
Maysa
Tom Jobim por Maysa
1950’s〜1960’s
マイーザがRGEで歌ったトムの曲を集めた編集盤。ボサノヴァ前夜の二つの時代が交錯。マイーザ節が堪能できる。
3.5

ノ・トム・ダ・イストリア
チボ・デロール
Tibô Delor
No Tom da História
2001
フランス人ベーシストのチボ・デロールが率いる、ピアノ、ドラム、フルート、ヴィオラォン(パウロ・ジョビン)のクインテット。折り目の正しい好演で、とりわけチボのベースの音が味わい深い。
4

ジョビン、etc
ヤシュミン・シャルネ・アブレル
Yashmin Charnet-Abler
Jobim, etc.
2003
人懐っこいヴォーカルが印象に残る好盤。11曲中トムの曲は6曲。
3.5

気分はボサ・ノヴァ
ミルトン・バナナ・トリオ
Milton Banana Trio
Ao Meu Amigo Tom
1979
トムの32曲を超特急のメドレーで聴かせる。忙しないのは残念だが、演奏は申し分ない。編曲とピアノはジョゼ・アルヴィス。
4

シンプリー・ボサ
アドリアーナ・リオス
Adriana Rios
Simply Bossa
2001
自然でさり気なくて好感が持てる歌。13曲中トムの曲は9曲。
3.5

ダブル・レインボウ〜ジョビンに捧ぐ
ジョー・ヘンダーソン
Joe Henderson
Double Rainbow
1994
トムが参加する予定だったが、病状が悪化して参加できなくなったアルバム。やはりジョビン・ナンバーはジャズ・ホーン奏者のアドリブの素材に向いていないことがわかる一枚。
3

メウ
アナ・パウラ・ロペス
Ana Paula Lopes
Meu
2002〜2003
可もなく不可もない女性ヴォーカル。トムの曲は11曲中5曲。
2.5

オ・カイール・ダ・タルヂ
ネイ・マットグロッソ
Ney Matogrosso
O Cair da Tarde
1997
数あるジョビンのソングブックの中でも一、二を争う名盤。14曲中、トムの曲は6曲、ヴィラ・ロボスの曲が7曲、もう一曲は童謡のメドレー。笑いあり、不安あり、嘆きあり、皮肉あり。ブラジルとは何か?を深いところで問い掛ける傑作。
5+

*続きはまた今度。

2007年07月01日

今日聴いたジョビン・ソングブック(1)

先日友人と食事していて、ジョビンのソングブックで何が良いかと訊かれたのですが、うまく答えられませんでした。そこで改めて手持ちのアルバムを一枚ずつ聴き返して、一言ずつコメントしておこうと思います。

順不同(その日に聴いた順です)。邦題があるものはなるべく記します。CDとLPの別は特に書きません。点数は5点満点。「ジョビンのソングブック」の基準は、全曲トムの曲でなくても、半分以上もしくは5曲以上トムの曲が入っていれば良しとします。


カチア・カンタ・ジョビン
カチア
Catia
Catia Canta Jobim
2007
自然で堂々たる好唱。ジャズ・ボッサの理想郷。今年出たジョビン・トリビュートの中ではベスト。
4

トリビュート・トゥ・アントニオ・カルロス・ジョビン
ヨーセイ・コーニング
Josee Koning
Tribute to Antonio Carlos Jobim
1995
オランダの女性歌手ヨーセイ・コーニングのジョビン集。トムの存命中に企画されたが、「間に合わなかった」一枚。地味ではあるが、トムを悼んでいる哀感に満ちている。リズム隊も好サポート。
3.5

無意味な風景
エウミール・デオダート
Eumir Deodato
Inútil Paisagem
1964
デオダートのデビュー盤。ジョビン自身がのちに拝借したアレンジの原型もてんこ盛り。エレガント!
5

アノス・ドラードス
バーバラ・カッシーニ
Barbara Casini
Anos Dourados para Tom Jobim
2003
バーバラ・カッシーニのジョビン・ソングブック第一集。好盤。この人はすごくうまいのにさり気なく、技巧的でないところが良い。ギターのカルテットのシンプルな編成も彼女の歌を引き立てている。
4

ルイーザ
バーバラ・カッシーニ
Barbara Casini
Luiza
2004
上記の翌年に再度録音したジョビン集第二弾。こちらはピアノのカルテットをバックに歌っている。短期間にさらに表現力が向上。自然でクールでとても良い声をしている。
5

トーカ・アントニオ・カルロス・ジョビン
ヴィクトル・アシス・ブラジル
Victor Assis Brasil
Toca Antonio Carlos Jobim
1970
ヴィクトル・アシス・ブラジルは名手だが、このアルバムは「ジャズとジョビンの相性の悪さ」が露呈している一枚。こういう演奏ならジョビンをモチーフに使わなくても良いのにと思う。
2

カンタール・ド・ジョビン
ディリンディ
Dirindi featuring Marzieh Reyhani
Cantar do Jobim
2004
ジョビンのスピリットを正当に受け継いでいるアコースティックなコンボ。ヴォーカルがやや雑なのが残念。ディリンディというのはポッソフンドの小さな森の名前。
3.5

開かれた扉
カロル・サボーヤ&ネルソン・ファリア
Carol Saboya & Nelson Faria
Interpretam Canções de Antonio Carlos Jobim
1999
カロル・サボーヤがネルソン・ファリアのヴィオラォン一本をバックに歌う。彼女の歌はドラマティックで胸を打つ。今の時代に重要な個性。プロデューサーは故アルミール・シェヂアッキ。
4.5

ジョビンとヴィニシウスを歌う
エルザ・ラランジェイラ
Elza Laranjeira
A Música de Jobim e Vinicius
1962
典型的なサンバ・カンサォン的歌唱。アレンジは今の耳には辛い曲もあるが、歴史的に貴重なソングブック。12曲中、トム=ヴィン作品が9曲、トム単独作品が2曲、ヴィン単独作品が1曲。「Andam dizendo」はこれがおそらく唯一の録音。
3.5

オウトロス・トンズ
ファティマ・ゲヂス
Fatima Guedes
Outros Tons
2006?
ピアノ・トリオを従えたファティマ・ゲヂスがほとんどアン・バートンに聴こえる。ピアノのパウロ・ミドーシもルイス・ヴァン・ダイクに聴こえる。秀逸。知られざる曲ばかりを集めた企画の勝利でもある。誰にも教えたくない一枚。
5

カンサォン・ド・アモール・ヂマイス
オリヴィア・バイントン
Olivia Byington
Canção do Amor Demais(Canta Tom & Vinicius)
2001
オリヴィア・バイントンで再聴する『カンサォン・ド・アモール・ヂマイス』。決してうまくないのだが、これはこれで共感できるから表現という行為は不思議だ。
3.5

*続きはまた。