2008年02月10日

今日聴いたジョビン・ソングブック(30)

*雪上がりの美しい朝。今日は久し振りに一日自宅で少しゆっくりと仕事しました。

*以下、その後出てきたジョビン集です。

ヴィジタ・ガーシュウィン&ジョビン
パウロ・モウラ
Paulo Moura
Visita Gershwin & Jobim
1998
パウロ・モウラのライヴ録音。ジョビンとガーシュウィンの相性の良さを証明する一枚。メドレー内の曲も含めると、17曲中ジョビン・ナンバーが9曲、ガーシュウィン・ナンバーが8曲。「Este Seu Olhar」以下で会場から歌声が起こるところは感動もの。
3

ジャルヂン・アバンドナード
セルジオ&オダイル・アサド
Sérgio & Odair Assad
Jardim Abandonado
2002・2006
アサド兄弟の詩情溢れるギター・デュオ。全15曲中ジョビン曲は4曲で、他にはドビュッシー3曲、ダリウス・ミヨー2曲、ガーシュウィン1曲、アダム・ゲッテル1曲などを収録しているコンセプチュアルなアルバム。
3.5

ジンガロ
フェルナンダ・クーニャとゼー・カルロス
Fernanda Cunha e Zé Carlos
Zingaro
2007
フェルナンダ・クーニャがゼー・カルロスのヴィオラォン一本をバックに淡々と歌うトムとシコの共作曲集。フェルナンダ・クーニャはうまくはないが率直で真摯で好感が持てる。
3.5

エコー・ダ・ボッサ
デュオ・フィーノ
Duo Fino
Eco da Bossa
2007
ヴィルマ・ヂ・オリヴェイラとホブソン・アマラルのデュオによるボサノヴァ名曲集。13曲中8曲がトムの曲。軽快でオーソドックスなボサノヴァ作品。それにしてもホブソンが歌っているのには驚いた。
3

*ご無沙汰してしまっている皆さん、申し訳ありません。3月に入れば少し落ち着くと思うので……。

2008年02月06日

A CASA DO TOM  MUNDO, MONDE, MONDO(7)

「トムとカイミのショウのリハーサル 1991年 ジャルヂン・ボタニコの家で」という字幕が出て、ピアノにトム、歌にドリヴァル・カイミ、フルートと歌にダニーロ・カイミ、ベースにチアォン・ネットで、「マラカンガーリャ」を歌っている映像が流れます。
アナのナレーション。「カイミはトムの人生においてトムがいつも大いに尊敬してきた知恵を携えた存在だった」。ヴィオラォンにパウロ・ジョビン、ヴォーカルにアナ、マウーシャ・アヂネ、パウラ・モレンバウムも映ります。
再びアナのナレーション。「トムとカイミの間には兄弟分みたいなものがあった。トムの子供たちとカイミの子供たちの間にもそれがあった」。曲は「ミラグリ」に変わって、アナのナレーション。「トムはほかの作曲家の曲を演奏するのが好きだった。うまく演奏できた時には本当に幸福だと言っていた」。
ヴォーカルにシモーニ・カイミ、ドラムスにパウロ・ブラーガも映ります。曲は「サウダーヂ・ダ・バイーア」に変わります。サウダーヂたっぷりのとても良いシーンです。さらに「ペスカドール組曲」。トムが言います。「こういう曲では仕事をすればするほど幸福だよ。僕は何年もの間いつも同じショウを演じている。50年以上だよ。僕はフランク・シナトラから学んだんだ。レパートリーを変えてはいけないんだよ」。さらに、「息子よ、金持ちになるためにはレパートリーを決めないといけない。そして何曲か選んだらそれを変えられない。考えてもごらんよ。君がここに来て、僕が『ナイト・アンド・デイ』を歌わなかったら?」

「パッサリン」が掛かって、アナのナレーション。
「バンダ・ノヴァは1982年にウィーンのコンサートのために結成された。ウィーン交響楽団の指揮者のペーテル・グッスがトムをコンサートに参加させることに興味を示した。トムだけに声を掛けたのだと思う。トムはその招待を受けて、グッスが真剣であることを知った。グッスはトムの音楽やそのほかのもろもろを愛していた。音楽やそのほかのすべてのものを。すべての電話はグループには誰が含まれるのかという内容だった」
「最初に、『息子のパウロを連れて行きたい』。そして『素晴らしいフルート奏者のダニーロ・カイミがいる。彼はとても良いと思う』。三度目に彼はベースを捕まえたと言った。それがチアォン・ネットで、ドラムスはパウロ・ブラーガだった。最後に彼はヴォーカルを選んだ。自分の娘のベッチ、シモーニ・カイミ、私。彼はトムにハードワークを求めた。彼はそれをすべて受けた」
「そのあとリオの市立劇場でショウの機会があった。トムはパウラ・モレンバウムとマウーシャ・アヂネに電話した。彼は良く、私たちは皆プロフェッショナルだと言った。そして、私たちは家族なのだと。ジャキーニョことジャキス・モレンバウムがやって来てリハーサルを見ていたのを思い出す。彼はちょっと妬いていたのだと思う。少しあとに私たちはポッソフンドにいた。ジャキーニョはチェロを持って来ていて演奏した。トムはすぐに言った。「採用だ」」

1986年のトムの誕生日の映像。ジャルヂン・ボタニコの家です。おそらくホーム・ヴィデオなのだろうと思います。ケーキの蝋燭を吹き消すトム。
アナのナレーションが重なります。
「バンダ・ノバは家族の夜のコンサートの間続いた。私たちは皆彼の親族だった。子供、友人、友人の奥さん。私たちのパーティはほとんどリハーサルのようなものだった。突然彼がある曲に憑り付かれる。そうすると私たちはその曲を一晩中歌う」
彼女たちはトムのピアノの周りに集まって「ビン・ボン」を歌っています。

再度アナのナレーション。
「トムはある時、『僕は植物や動物は欲しくない。歳を取ったら家族を乗せる大きな車が欲しい』と言った」
ジョアン・フランシスコが魚を釣り上げている映像。アナの声が続きます。
「そして彼はそれらを再び手にした。植物、子供、動物」
「マリア・ルイーザのサンバ」が流れて、マリア・ルイーザが生まれて間もない頃の微笑ましい映像が流れます。

トムの「シャパダォン」の朗読。トムがニューヨークの自宅でマリア・ルイーザと二人で暖炉に火を入れるシーン。

トムがニューヨークの自室のピアノの前に座っています。「ダダー」と手伝いの女性を呼んでいます。「コーヒーが欲しい」。そして「灰皿もらえる?」。
アナのナレーション。
「ニューヨークではトムが自宅から離れたところに仕事場を持てれば良いのではないかと考えたことがあった。彼は静けさとプライヴァシーを必要としていた。私は同じ建物に部屋を見つけた。ピアノやすべてのものを揃えてスタジオに仕立て上げた。でも長続きしなかった。トムは家にいることを好んだ。コーヒーを頼んだり、自分がしていることを示して私たちの意見を聞くために」

ピアノを弾いているトム。そしてそれを金槌か何かの音が邪魔します。トムは電話を掛けます。「仕事中だからやめてくれと言ったよ」とトムは言っています。

アナのナレーション。
「私は結婚してすぐにトムの写真を撮り始めた。私は彼が語る私が生まれていなかった頃の物語を大いに楽しんだ。私はのちに認識した。自分がもう一つの物語を記録していたことを。彼が語った過去の物語とは異なるが、それはそれで素晴らしい物語だ」

トムの「シャパダォン」の朗読。「三月の水」が生まれたあの川辺のトムの映像が映ります。

セントラルパークの緑の中のトム。最後の曲は「ファランド・ヂ・アモール」。

トムとアナの二人の子供、「ジョアン・フランシスコ(いたましいことに亡くなっています)とアナ・ルイーザのために」というクレジットが現われて、この貴重な映像は終わります。

*これでこの映像資料の紹介を終わります。重ねて言いますが、これはあまりにも個人的・家族的な作品で、万人向けのDVDではないように思います。しかしトム・ジョビンのファンにとっては、とても貴重な、これまで足りなかったり欠けていたりした情報を埋めてくれる貴重な作品です。
posted by naoki at 01:30| Comment(10) | TrackBack(0) | 新譜紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする