2010年05月20日

シコ・ブアルキ物語@ラティーナ(4)

「ラティーナ」連載の「シコ・ブアルキ物語」。第4回目は、「演劇・映画とシコ・ブアルキ」について書きました。

デビュー直前の1960年代中盤から1970年代末までのシコにとって、演劇作品というのは極めて重要な作品発表の場でした。一時期までのシコは「芝居」というフォーマットに人並ならぬ愛着を持っていたように思えます。そのことを中心に、ようやく話が1980年代の軍事政権終結くらいまで進んできました。少なからず安堵しているところです。

今回は結構日本では知られていないエピソードも盛り込んだので、興味を持って読んでもらえると思うのだけれど。「ラティーナ」6月号は今日発売です。ぜひお読みください。

*昨日、渋谷タワーレコードのインストアライヴで秋吉敏子さんを聴きました。タワーレコードで秋吉敏子さんなんてすごいことです。大学時代にジャズ喫茶のレコード係として客が入らない夜に「孤軍」を掛けて踊っていた僕としては夢のようなことです。しかも1曲目が「Long yellow road」だなんて。秋吉さんのピアノはオーケストラそのものでした。曲間のお話もとても良くて、僕の周辺では啜り泣き多数でした。良い夜でした。
演奏曲目:「黄色い長い道」「ソルヴェージ・ソング」「ディープ・リヴァー」「ホープ(『ヒロシマ そして終焉から』より)」


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2010年05月12日

Sinatra Jobim / The Complete Reprise Recordings

フランク・シナトラとアントニオ・カルロス・ジョビンの二度のセッションの全曲を収録した「シナトラ・ジョビン・ザ・コンプリート・リプリーズ・レコーディングス」が発売されるそうです。69年の「Sabiá」と「Bonita」はもちろん、シナトラのリプリーズの20枚組でしか聴けなかった「Desafinado」も収録。これは楽しみです。


2010年05月08日

アンジェリカ

アンジェリカ

その女性は
常に口癖を歌う
ただ自分の息子を寝かし付けたいだけだったと
海のような闇に暮らす息子を

その女性は
常に悲嘆を歌う
ただその拷問を思い出したいだけだったと
自分の息子に嘆息させた苦痛を

その女性は
常に同じたくらみを歌う
ただ自分の天使を保護したいだけだったと
そして彼の身体を休息させたいだけだったと

その女性は
鐘を鳴らすように歌う
自分の男の子のために歌いたがっていた
もう歌うことのできない彼のために

その女性は
常に口癖を歌う
ただ自分の息子を寝かし付けたいだけだったと
海のような闇に暮らす彼女は




*夜中にふと思い付いて訳してみました。シコ・ブアルキがズズ・アンジェルのことを歌った1981年の作品です(共作ミルチーニョ)。軍事政権に息子のスチュアートを奪われたズズは、シコに全幅の信頼を置いて、息子の最後に関するすべての証拠をシコに託しました。そして彼女もまた軍事政権の手に掛かります……。このことは「ラティーナ」の6月号にちょっと書いたのでぜひお読みください。シコの全キャリアの中でもとても意味のある1曲だと思います。

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2010年05月02日

ジョアンとマリア

ジョアンとマリア

ところで僕はヒーローだった
僕の馬は英語しか喋らなかった
そのカウボーイの婚約者は
君だった
ほかの三人を除いてだけど
僕はいくつもの大隊と対決した
ドイツ人とその大砲と
それでパチンコは片付けた
そしてロックを練習した
マチネーのために

ところで僕は王だった
警備員だったし、裁判官でもあった
僕の法律では
みんな幸せになる義務があった
そして君はプリンセス
僕がその位に就かせたプリンセス
驚くくらいに美しかった
僕の国を裸で歩いていた

駄目だ、逃げるんじゃない、駄目だ
あの時は僕が君の玩具だったってふりをするんだ
僕は君のこまだったって
君の可愛い動物だったって

うん、私に手を貸して
みんなもう怖いものなんてないよね
あの悪い時代には
みんな生まれてさえいなかったんだよね

ところでそれは宿命だった
ごっこ遊びはこうして終わった
あの時の裏庭の
でもそれは果てしのない夜だった
君が世界に消えたからだ
予告もしないで
ところで僕は気が狂うほど訊き出したかった
僕の人生はどうなっていくのだろう?



*次の「ラティーナ」のために訳してみたのでここに載せておきます。シコの歌詞を翻訳するなんて本当に無謀で冷や汗が出るのですが。シヴーカの曲にシコが1977年に歌詞を書いた曲です。この曲のことを表現する言葉を僕は持っていません。ぜひともナラとシコのデュオを聴いてほしいです。それが僕がブラジル音楽から受け取ったすべてです。そして僕が後世に伝えていかなければならないすべてです。そのために時間を使わなければいけないのだと思います。
posted by naoki at 07:18| Comment(3) | シコ・ブアルキのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする