2011年03月19日

トム・ジョビン「三月の水Aguas de março」

3月18日

学生時代に寝袋を担いであちこちを放浪していたこともあって、日本中どの土地に対してもそれなりの想いはある。けれども東北の太平洋岸のあの一帯は、日本の宝と言うか、原風景と言うか、本当に美しいところだった。釜石、宮古、大船渡、気仙沼。当時いただいた数々の親切を――「今夜泊まって行けよ」「味噌汁一杯飲んで行けよ」――今思い出して噛み締めている。

東北を襲った大地震・大津波から1週間。1週間前のあの時間にいた北関東のある街に、今日もたまたまいた。それにしても、この1週間で、この国の様相は一変してしまった。

うちのきょうだいは4分の3の確率で東北出身者と結婚しているので、そのこともあって、今回は「今まだ誰それと連絡が取れない」という話が周辺にいくつかある。それでなおさらことの深刻さを実感している。

以前に奥尻島に行った時に、大津波のあとに建てられた防波堤の高さに、人々の哀しみの深さを感じて絶句したものだった。では今回はどのくらいの高さの防波堤を建てれば良いのだろう?

今この大地震・大津波から教訓を導き出すのは性急のように思う。もう少しこのことを考えて思って感じていかなくては。

今日の帰りの車の中ではトム・ジョビンの『マチータ・ペレーMatita Perê』を聴いていた。「三月の水Aguas de março」という曲のタイトルは、こういうことが起きてしまった今となっては、大いなる皮肉のように響いてしまう。けれどもトム・ジョビンは自然の美しさと同時に怖ろしさをも知っていたひとだ。それらのすべてをひっくるめて世界とか宇宙とかを賛美していたひとだ。

そしてもちろん人間もその世界や宇宙を構成する因子の一つである。

今夜テレビのニュースで取り上げられていた、息子を亡くした父親の言葉に胸を打たれた。それが今の僕の心境にいちばん近い言葉でもある。

「残された自分たちが一生懸命生きていくことが供養なんだ」。

*今回の東北の大地震・大津波で被災された皆様のために心から祈ります。

posted by naoki at 01:50| Comment(4) | 今日の1曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。
ウチの家族は全員無事でしたが、
友人数人とは連絡がとれません。
気にはなりますが、
元気を出して生活することに
します。
三陸は本当に美しく、
今回甚大な被害を被った
陸前高田や大槌町には
数件のジャズ喫茶がありました。
少し落ち着いたらまた訪れて
見ようと思います。
Posted by えんたつ at 2011年03月20日 19:18
えんたつさん

ご無沙汰しています。ご無事で本当に良かったです。ご不便だと思いますが、生活が平常に近づくことをお祈りいたします。
Posted by 岩切 at 2011年03月22日 05:07
ご無沙汰しています。

おかげ様で、自分と家族は無事で過ごしています。
岩手、宮城、福島とまたその他の土地を含めて
大変な状況となっています。
私も多くの友人と連絡が取れない状況にあります…
物質的損害はありましたが、生きているだけで
幸いと感じています。

>「残された自分たちが一生懸命生きていくことが供養なんだ」
この言葉を心にとどめて過ごして行きたいと思います。
一日も早い復興を祈りながら。


Posted by クリントン at 2011年03月23日 20:47
クリントンさん

ご無沙汰しています。ご無事で本当に良かったです。お辛いことと思いますが、少しでも落ち着きを取り戻されることを祈っております。どうぞお気をつけてお過ごし下さい。
Posted by 岩切 at 2011年03月24日 00:47
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