2012年10月18日

ブラジル映画祭

*久し振りに書き込みます。

金曜日にブラジル映画祭に行ってきた。プレスの試写会にも行けなくて、結局東京の最終日に。以下、「三月の水」的な今回の音楽映画二本の覚え書き。

「エリス・レジーナ〜ブラジル史上最高の歌手」はDVDも以前に出ているが、日本語の字幕がありがたくて。歌も演奏も素晴らしいのだが――ピアノ:セザル・カマルゴ・マリアーノ、ベース:ルイザォン・マイア、ドラムス:パウリーニョ・ブラガの演奏がまた格別の味わいだ――それと同じくらいにエリスの独り語りに釘付けにさせられる。生々しいと言うよりも、痛々しいという感じ。いくつか印象に残ったことを。

エリスはアゴスティーニョ・ドス・サントスのことを話して「太陽の道Estrada do sol」を歌い始める(セザルのピアノのイントロが絶妙)。歌い終わったあとにもアゴスティーニョがここにいるようだと、彼のためにこの曲を歌ったのだと言っている。エリスにとってはこの曲はアゴスティーニョの歌なのだということがわかる。

アントニオ・カルロス・ブラジレイロ・ヂ・アルメイダ・ジョビン(エリスは「アントニオ・カルロス・ブラジレイロ・ジョビン」と言っていたと思う)については、「三月の水Águas de março」を録音した時のことを回想し、彼は何でも知っている、本当に何でも知っているのだとしきりに言っている。それで彼のことが嫌いな人も尊敬せざるを得なくなってしまうのだと微妙なことを言っている。また、「彼はスリランカのヒット曲まで知っている」と言っているのがおかしい。トムはそんなふうなことを言って周囲を煙に巻く人だったと思うのだが、エリスは本気にしたのだろうか?

シコと最初に会った時には、友人に紹介されてシコが曲を持ってきて、シコが数曲を披露したのに、あまりにも喋らないものだから、エリスは自分が嫌われていると思ったと、それで自分はシコの曲を録音しなかったと、それをナラが録音して大ヒットしたと言っている。そのあとエリスは大ヒットした「アトラス・ダ・ポルタAtrás da porta」を歌うが、結局エリスが録音したシコの曲はこの曲だけだっただろうか?

いちばん深刻に思えるのはエドゥの話。エドゥには本当に感謝している、自分が今日あるのはエドゥのおかげだと言って、しかしあることが起こってエドゥからの連絡は途絶えてしまったとエリスは告白している。そのことについては多くは言えないと言いながら、誤解が生じてしまっていることを仄めかして、「いつかエドゥとワンダと私と私の家族とセザルとでそのことについて話し合わなければ」と言っている。だから男女の問題であることは容易に想像がつく。なお、このシーンのあとでエリスはシロ・モンテイロともいろいろあったと言ってシロを懐かしんでいる。

もう一本の「バイアォンに愛を込めて」は、ウンベルト・テイシェイラの人生を実の娘のリリオ・フェヘイラが追い掛けていくドキュメンタリー。とても個人的な映画だが、とても良い映画だ。

映画の中盤でクルービ・ダ・シャーヴィのエビソードが出てくるところがあるのだが、その直前に映った店の看板が「フィオレンチーナ」だったと思う。これはニュウトン・メンドンサの陸軍学校の同級生がオーナーだった店で、ニュウトンの伝記に店名が何度も出てくる店だ。もしかしたら違う店かもしれないが、もしあの「フィオレンチーナ」だったら、今度リオに行ったら訪ねてみたいものだ。

あと、この映画のアシスタント・プロデューサーをアナ・ジョビンが担当していることが最後のクレジットでわかった。ほかにも2つくらいのスタッフを兼任しているようだった。もともと写真家なのだから、いろいろと活躍しているのであれば嬉しい。
posted by naoki at 04:12| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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